震災記録映画「ある町 A Town」自主上映会のご案内

映画の紹介 

 

本作品は、双葉町民でもある小野田氏が、原発事故によって自由に出入りすることが出来なくなった“ふるさと”に直面し、みずから「自分にとってふるさととは」と問い続けるなかで、同じ双葉町民はどのように故郷を思っているのかをインタビューし、約2年半、500時間以上の録画をもとに記録映画として制作したものである。

 

 初公開となった2016年2月14日の上映会後のトークカフェにて、ある女性(双葉町出身)は「震災後、どうせ戻れないのだから、今まで、双葉町のことを忘れよう、考えないでいようと自分の気持ちにふたをしてきました。でも、今日の映画を見て、やっぱり双葉はいいところだって改めて感じました。映画を作ってくれた小野田さん、ありがとう。これからは、双葉町が好きという気持ちを大事に過ごしていきたいと思います」とコメントされた。

 

他地域・他県に避難された方が、福島出身(あるいは双葉町出身)と言えず、出身地への誇りを失い、自分のアイデンティティの一部を失いかけている状況で、この映画は被災当事者にとって自己そして出身地の尊厳を取り戻す力をもつ映画である。

 

 上の女性のコメントを引き出したこの映画は、双葉出身の方に一番みてもらいたい、ふるさとについてもう一度思い起こしてほしいという気持ちで構成された。とは言え、外から見れば原発被災地=汚染地域であり、人が住むべき場ではなく、地域再生は断念すべきという声も聞こえてくる。この映画をつくる過程は、「ふるさとに戻りたい」って言うのは悪いことなのか、言ってはいけないことなのか、という自問自答を続けながらの、さまざまな葛藤との闘いでもあった。

 

映像の中のコメントからは鋭い社会批判は聞こえてこない。同じ経験をした制作者に対して、登場人物は一般には語られない、また揺れ動く故郷への想いを淡々と語っている。外からは伺うことができない当事者の内面を掬いあげていると同時に、原発問題との関係で語られる双葉町ではない、自然豊かな地にて、深く人と人が結ぶつき、愛情にあふれていた双葉町の姿が人々の語りから浮かびあがる。原発問題の文脈で取り上げられる双葉町とは違う、日本のどこにでもありそうな地方の「ある町」である。

 

原発事故は、多数の方のそれぞれの人生そのものに影響を及ぼしたが、生活の舞台であったふるさとを奪い、次第に人々のふるさとへの想いや愛着さえも失わせてしまう。数十年あるいは100年の単位で「土地なきふるさと」にて人々の関係性を維持していくことが可能か分からない。それでも、本作品は原発事故が奪ったふるさと、コミュニティの灯をともし続けようとする、抗いの映画である。

多くの原発映画とは異なるスタンス、かつ被災地への深い愛情をもとに制作されたこの記録映画を、ぜひ多くの方に見て頂きたいと思う。 

                                                                                                     (ふうあいねっと 代表 原口弥生・茨城大学)

 映画情報 

 

 タイトル      ある町 A Town

  製作年   2016年

  上映時間    約80分

  製作国    日本

  ジャンル    ドキュメンタリー

  監督        小野田 明

 

 

自主上映会のご案内 

 ※ページ最下部に「申込フォーム」あり

 

(1)10人以上参加の自主上映会企画を対象にします。

 事務局まで、以下の情報をお伝えください。 

 ①代表者氏名

 ②連絡先 電話&メールアドレス

 ③送付先の住所

 ④希望するDVD  A: 上映会用DVD あるいは  B: 鑑賞権付DVD

 ⑤上映会の日時

 ⑥上映会の会場

 ⑦参加予定者

 ⑧チラシ・イメージ図の必要の有無

 ⑨その他

 ===============================================

 連絡先  :  事務局TEL& FAX : 029-233-3770 

 Email    :  fuai.sta@gmail.com

 住   所   :  茨城県水戸市文京2⁻-2-1

        茨城大学教育学部A413 ふうあいねっと事務局

 ================================================

(2)費用

 上映会用DVD 3,000円  (上映会後、事務局宛にDVDをご返却ください)

 鑑賞権付DVD 5,000円(DVD返却の必要はありません)

    (*郵送料のご負担お願いします)

  

(3)振込先

 上映会終了後2週間以内に下記の口座まで所定の費用をお振込みください。

 

  口座名 : ホームタウン・プロジェクト

      〔ゆうちょ銀行からお振込の場合〕

      ゆうちょ銀行  普通貯金  (記号)10630 (番号)49716191

     

   〔他金融機関からお振込の場合〕

     ゆうちょ銀行 

    (店名)〇六八(読み ゼロロクハチ) (店番)068(口座番号)4971619 

 

(4)「ある町」上映会用チラシのイメージ図を提供することが可能です。事務局にご相談ください。 

(5)上映会後、映画を見た方の感想を事務局宛におくっていただけますと、大変うれしく思います。

(6)上記の人数や金額については、応相談です。各地での上映会をサポートしていきたいと思っていますので、まずはご連絡・ご相談ください。

 

上映会実施の流れ

 

(1)自主上映会について、ふうあいねっと事務局までご連絡・ご相談ください。企画内容が固まりましたら、「ある町」上映会申込フォームにてご連絡ください。

(2)スタッフ用に試写が必要な場合は、試写用DVDを無料でお貸しします。郵送費のご負担はお願いします。

(3)事務局から、申込者宛にDVDを送ります。

(4)上映会終了後2週間以内を目途に、「プロジェクト」名義の口座に費用(5,000円、あるいは10,000円)をお振込みください。

(5)「上映会用DVD」の場合は、DVDをふうあいねっと事務局までお戻しください。

■ 小野田氏のことば ( 2016年春の上映会の挨拶より )

「双葉町は今でもたくさんの問題を抱えていて、それを町の人は当事者として日々感じています。だから、あえてこの作品の中ではそうした問題を取り上げませんでした。(言葉や映像の端々に問題を感じてもらえるようにしているます。) 

「ある町」というタイトルにしたのは見た方々の中にある町や、全国でもどこか通ずるような町があるのではないかという気持ちもあるからです。

 

この舞台になっている双葉町は僕にとってもは地元は大切な場所で、変え様のない場所です。この作品を通して双葉町を知っていただけるきっかけになればと思っています。

(現状と向き合いながらも見た地元の人に希望を持ってほしいという思いもつまっています)

 

ダウンロード
小野田さん記事
「i ups」(茨城大学の「今」を伝える情報誌)の震災から5年の学生インタビュー記事にて
iups p26-27 小野田.pdf
PDFファイル 1.4 MB

◆申し込みフォーム◆

10人以上参加の自主上映会企画を対象にします。 事務局まで、以下の情報をお伝えください。

メモ: * は入力必須項目です